盲信と恋慕
『推し、燃ゆ』を読んで思ったことの記録です。
後半はネタバレを含みます。
恋愛ってすごく好きです、相手の言動に一喜一憂して馬鹿みたいで、楽しいですよね。
わたしはひかるに対して「リア恋」という感情を抱いているんですが、その理由を説明しようとすると難しい。
自分と近い関係にいる人間を好きになるようにひかるを好きになった。何故か!傍にいてくれる訳でもない、画面越しに見ることの方が多いのに。マジで謎ですよね、わたしもよく分かりません。じゃあ繋がりたいかと聞かれれば、うーん、という感じなので本当に謎。このことについて書き始めるとたぶん止まらなくなるのでまた何時か書きます。
その理由をずっと考えてきたんだけど、『推し、燃ゆ』を読んで少し分かった気がしました。
わたしはすごく気にしいなので、相手の意識の内にわたしが入ることと、それをわたしが気にしてしまうことを本当に煩わしいと思っていて、でも相手がわたしを認識している時点でもう相手の意識の内にわたしが入り込まないって無理じゃないですか。
今一度考え直して傲慢かなと思ったけど、やっぱり無理じゃないですか。だって認識してるし…
それに加えて、わたしは相手からどう思われてるか気になってしまうので余計にストレスがかかる。そうなった時に、わたしを認識していない相手(アイドル)に恋をするってすごく楽だし、ストレスフリーだと思いました。
相手はわたしを知らないから、わたしが何をしようと相手に失望されることはないし、わたしが知ろうとしなければ、相手はわたしに良い面しか見せてこないから失望することはない。
アイドルはわたしを知りようがない上に、わたしのタイプどストライクなの最高じゃない?
わたしと関係の無いところでアイドルは勝手に生きて、それをわたしが勝手に覗いてときめいていれば、それで幸せが巡っていくのが一方的でとても楽。でも、ある意味コミュニケーションの放棄かな、と思ったりもする。
『推し、燃ゆ』の本編の話になるんですが、主人公のオタ活とそれに追随する感情よりも、主人公自身と彼女を取り巻く環境の方に共感して苦しかった。
他の人が何食わぬ顔でこなすこともままならない自分が嫌で、最初から滅茶苦茶だったんじゃなく、自分が滅茶苦茶にしたんだと誤魔化して気持ちを楽にしようとするのが人間だなあと思った、人間だけど。
あと、主人公の若さ故の極端さが自分と重なるところがあって本当に…苦しい…共感性羞恥で… 「働かなければ生きては行けない」のなら「死」を選ぶというこの… もうちょっと生きようと努力せんかい!(戒め)まあでも苦しくて消えたいと思うことって誰にでもありますよね。
その後主人公の推しが引退して行くところまでのスピード感と主人公の感情の描写がリアルで、コレコレ〜❗️コレだよ❗️となりました。
情報が水のように溢れて、留めなく流れて、思考が置き去りになる感覚。小説家って、どうしてこんな描写が上手く書けるんだろう。本当にすごい。(小学生?)
あと最後、主人公自殺するかなって思ったけど、やっぱりしなくて、そこもすごくリアルだなと思いました。
推しは逃げる先にはなれないけど、死ぬ理由にはなれない。
推しが引退して、アイドル人生を終えたとしても、オタクの人生は終わらない。
虚無感がすごい。オタクってのめり込むと一気に新興宗教みたいになるので、もっと冷静な目を持ちつつ楽しいところだけ摘んでいきたいな…リア恋とか言ってる時点でどうなの?って感じだけど…
ダラダラ思ったことを書いてみたんだけど、前半部分とか拗らせすぎてて叫び出しそうです。まあでもリアルの人間も全然好きになれるのでとりま恋人欲しい🎶な🎶ゲレンデがとけるほど恋したい🎶
という訳で以上です。
ここまで読んでくれた方、時間の無駄だったと思ってなかったら嬉しいです。思ってたらごめん。
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